北海道良水株式会社

新水IBUKI通信 2013年 霜月 00021

「水」と「パン」

世の中には「仕事」に関わる分野それぞれに「専門書」が膨大にあります。今回は、『新しい製パン基礎知識(再改定版)』からほんの一部を紹介させてもらいます。1981年に最初のものが出て、2001年に改訂版、2012年に再改定版と最初の初版から数えて第28版になっているものを最近、見つけました。
パン職人さんの教科書なのかもしれません。著者は竹谷光司氏(1948年、室蘭市生まれ。北大の水産学部を卒業して山崎製パン(株)に入社。その後ドイツへ3年間の研修、日本パン技術研究所などに入所)。今は千葉県佐倉市で研究工房「つむぎ」を経営と略歴にありました。水産学部を出た後は、ひたすら「パン」の道をきわめてこられた方のようです。
さて、同書で「水」は、どのような取扱いになっているのか興味がありました。同書93頁~98頁までが「水」のことでした。その「水」と「パン」に関わる手順と影響は以下のようなことでした(部分的に紹介)。

生地を仕込む→仕込み水の一部でパン酵母を溶く。→ 残りの水で砂糖、塩、粉乳を溶かす。→ 粉を加えてミキシング。グルテニンとグリアジンが水の存在のもとでグルテンを形成。→ 生地の硬さ、温度調節は、水で。
吸水の過少→ミキシング時間が短い、生地温度が上がりやすい、生地が切れやすく丸めにくい、パンがパサつく。
吸水の過多→ミキシング時間が長い、生地温度の上昇が少ない、生地がベタつく、カビがはえやすい。

なるほどです。そこで「水」そのものについては、「水道水」に触れて慎重な表現で注意点が記されていました。無論ですが「もちろん、日本の水は外国のそれと比べるとはるかに良質のものであり、製パンに不適当と思われる水は少ない。」と最初に安心できる説明があります。それでも、水道水というのは、給水栓から出る水で、一度受水槽に落ちた水は「水道水以外の水」ということも注意です……とあって、「加えて、残留塩素濃度については、ほとんど影響ないとはいえ、浄水場との距離によっては無視できない場合もある。残留塩素濃度が高く、パン酵母の活性を阻害した例もあるので、チェックは必要である」(同書98頁)とありました。

投稿:「保冷剤?」と「新水いぶき」 K・M(大阪)

今年、主人の転勤にともなって、もともとは札幌生活だったのですが東京、大阪へと南下した道産子です。
おかげさまで大阪の喋り好きのおばちゃんたちとの日常の挨拶も楽しむことができて、面白い体験もさせてもらっています。でも、「暑さ」にはなかなか慣れることができず、道を歩いていてもボーッとすることもありました。しかし、神さまはいらっしゃるもので、今夏は幸いにも? 主人の海外長期出張があって、その間は、実家のある札幌に避難(?)してきました。 その時、「新水いぶき」に出会ったのです。久しぶりに高校時代の友人たちと会ったのですが、自家製のケーキをお土産にいただきました。生クリームを使用していたケーキのため、ケーキの入った箱には小さな保冷剤が一緒でした。その箱の下には、さらに大形の保冷剤の代用として「新水いぶき」がシャーベット状態で透明の気泡緩衝材に幾重にも包まれてあったのです。 ちょっぴり重かったのですが実家までありがたく持ち帰り、両親とケーキを、そして、超がつくほどに冷たい「新水いぶき」もいただきました。「まろやか」という言葉はピッタリの味わいでした。これは札幌に戻ったときの楽しみが一つ増えた発見にもなりました。
普段、それほど水に関しては神経質ではなかったのですが、水の世界って、本当に大きく広がっていることに驚いているところです。
故郷に良い水があることは、とても嬉しいことです。 大阪大学の総長も務めた鷲田清一(現在は大谷大学教授)さんの最近の本に、「山﨑」(正和)「白州」(正子)という識者お二人の著書から文章を引用している部分がありました。そして、そのお名前が国産高級ウイスキーにも使われていることから、「地縁」と「人縁」を愉快に書いていらっしゃいました。これが、大阪人のサービス精神なのかも知れません。
私自身はアルコールに弱いのですけれど、「新水いぶき」での水割りは美味しそうと思っています。主人は「新水いぶき」でのロックを希望するかもしれません。

【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」

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