北海道良水株式会社

新水IBUKI通信 2015年 文月 00041

野外の炭火焼で「自然」再発見
本田 裕美子(石狩市)

札幌の知人のお宅に遊びに出向きました。5月の末でした。「新水いぶき」つながりのご家族です。もともとそのお宅では久しぶりに家族揃って、野外で昼食を……という計画だったようで、仲間に入れてもらいました。行き先は「前田森林公園」(札幌市手稲区)にある「バーべキュー広場」。
屋根つきの卓、野外の卓ともに満席。それを承知の人たちは、簡易コンロ持参で自前の卓作り。ピクニックですね。アウトドアに慣れ親しんだ人たちは、火熾しも手馴れたもの。さすがに「ガスコンロ」派は少数だったようですが、「炭火」派は、“自然”素材の燃料で焼かれた肉の美味しさを知っているのでしょう。同じく、魚も炭火焼が一味違いますね。

あちこちから、良い匂いが歓声と一緒に流れてきました。
「人々が集まって車座になって、食事をする」という光景は、きっと人類が始まって以来の古典的な儀式のようですが、そうした時間と空間を共に過ごす仲間は、やはり生きていく上で不可欠な存在なのでしょう……。幼い子ども連れの若い家族同士が複数で愉しんでいる光景は、見ていても気持ちが和みました。
知人の一家も用意してきた食材を手際よく焼いて、皆で「やっぱり炭火のは美味しいね」と言いつつ、炭の位置を火鋏で調整しながら、「あっ、もう良いかな?」「これ、大丈夫!」と焼きあがった食材を卓の方に並べてくれました。「焼く人」「食べる人」「飲む人」が交代しながら、楽しいひと時を過ごさせてもらいました。焼きすぎて真っ黒というのが無かったのは、食がススンデいたことを証明していました。
知人宅が用意してきた飲料の中には、「新水いぶき」もありましたことは申し上げるまでもありません。
「自然の火」、「自然の水」が、人工的に作られた広場ではありましたが、街中の洒落たレストランとは別の魅力を演出していましたことをご報告させてもらいました。

編集から⇒ 本田さんのお便りの数日前、道内の大学の学生食堂で「一人向け席」の導入が進んでいることを伝える新聞報道がありました(「北海道新聞・2015年5月15日・夕刊一面)。横一列に座るカウンター席が、「個食」と「孤食」がイコールにならないように願うところです。
本田さんの行かれた「前田森林公園」ですが、カナールと呼ばれる細長い「人口池」があって、これが圧巻です。未見の方には、一度、足を運ぶことをオススメします。
名物の「ふじまつり」は6月ですので終わっていますが、それでも行く価値があります。

札幌の良さ!
T・S(二都生活者・在札)
仕事のため日本で数都市、世界で数カ国、数年単位で生活してきました。定年後は、その中で僅か1年の勤務だった札幌にきて暮らしています。1年では、札幌の魅力を堪能できず、今も自宅のある東京との二都生活を送って満足の日々です。
札幌の良さはたくさんありますが、地元の人は、当たり前すぎて気づいていないようですので、一つご紹介させてもらいます。

友人に誘われて、都心部にある小さな喫茶店にご一緒させてもらいました。満席状態でした。でも、カウンター席の両端にいらっしゃった方々が、常連さんなのでしょう、「どうぞ」と席を譲って下さいました。
そのさりげない気配りは、お店を大切にする方々の集う場になっていることを教えてくれました。今度は、自分にそのような機会があれば、恩返ししたいと思ったものでした。
カウンター席についたおかげで、ネルのフィルターを扱うマスターの手際のよさ、さらにはポットの細い口からお湯を注ぐときの丁寧さとリズミカルな動きを見とれるようにして眺めることができました。
思わず、銀座8丁目の「カフェ・ド・ランブル」を思い出したものです。そして、美味しい「ネルドリップ」のコーヒーを愉しませてくれる小さな喫茶店がある街って、贅沢だなあと思えたものです。

【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」

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