北海道良水株式会社

新水IBUKI通信 2015年 霜月 00045

☆水と森林資源の関係☆
M・Y(札幌市)
「新水いぶき」について、日ごろの愛飲させてもらっているお礼をかねて、個人的なものですが、情報をお知らせ申し上げます。
首都圏から札幌に移住してきて20年以上になります。自然に惹かれて、木々の豊かなところに住みながら昔と変わらない仕事を続けています。通信環境がそれを成立させてくれていますので、IT革命の恩恵ということもできます。さらに言えば、生活圏の中と言えるほどのところに森林があることも私には嬉しい自然環境です。
この通信でも時々、豊かな自然環境にふれたレポートのような文章に接しますので、誘われるようにしての雑文ですけれど。 9月の末に札幌の時計台(は有名ですね!)の2階にあるホールで講演会がありました。その日は、雷雨まじりの「荒天」でしたが、講演は大変に面白く、会場は満席だったようです。
運営する事務局の方が「本日は申込者が多く、前からお座り下さい」と懇請されていたので、素直に前の方に着席しました。そのため後ろの様子は十分には分かっていないのですが。
講演者は、「月刊内田」と言われるほど著書がたくさん書店に並ぶ大学教授だった方。
1950年生まれ。哲学者+武道家+能楽も嗜むというほどに活躍されている内田樹(たつる)先生のお話は、四方八方につながりながら拡がっていきました。
その内田先生の最新の文庫に「最終講義」(文春文庫・2015年6月刊)があり、その158頁に、

日本人の方が自分たちが持っている「宝」の価値に気づいていない。(略)
日本には世界有数の豊かな森林資源が残っていて、水資源も豊かです。水は「二十一世紀の戦略物資」と言われていますけれども、大事なものですよね。もしかしたら将来、日本は「水を売る」という産業の拠点になる可能性だってあります。
現に、日本の水源地を買い占めている外資系企業もあるくらいですから。これがたぶん日本の誇れるもっとも貴重な資源だと思います。

とあります。2010年6月の講演会記録です。5年後の今、内田先生の推論はあたっていたように思えますが、いかがでしょうか。

☆「ポートランド市」って?☆

札幌市が56年前も前に!初めて姉妹都市の相手先に選んだアメリカのオレゴン州(西海岸)にある都市です。
1959年当時の札幌市長は、4月まで高田富與さん、5月から原田與作さんという方です。半世紀も前に交流し始めた歴史をもつポートランド市と札幌市。札幌市は、相手を選ぶことにおいて、先見性のあったことをもっと自慢して良いのではないでしょうか。同市が人気のある都市になっているのを象徴するフレーズは以下のようなものです。

①米国で最も環境にやさしい街【1位】
②米国のベストな都市【1位】
③最も自転車で移動しやすい米国の大都市【1位】
④米国で35歳以下が最も暮らしやすい都市【1位】
⑤世界の都市トップ10【10位】

その理由を分析する参考資料もありますが、お二人の日本人による同市へのコメントが一番でしょう。

◆ポートランドを選んだ理由(要旨)⇒街中に樹や草花があふれ、自然保護に力を入れている。⇒車なしでも生活できる。進歩的な気風。⇒市内に河が流れ、海にも程近い。素敵な図書館や大きな書店もある(渡辺葉『樹のあるところに、住みたくなったから。オレゴン州ポートランドのゆるやかな暮らし』2007年2月より)(椎名誠の娘さん)
◆毎年「若い世代の人々が暮らしたい都市」リストの上位に食い込んでいる。そのような人々はクオリティの高い、しかし華美ではない生活環境を求めているし、外食もそのライフスタイルの大事な一部である(村上春樹「アゴラ2008年4月号 二つのポートランド」より)

札幌市も「新水いぶき」を産出する自然環境とこれを採水する新規事業に取り組んだ進取性ある起業家が存在します。姉妹都市としてもポートランド市を追いかけることは十分に可能と思っている……この通信編集室であります。

【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」

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