新水IBUKI通信 2018年 如月 00072 号
続 【いのちと味覚】
編集・事務局
前号でお約束しました「だし」のお話の続き、と言っても後半部分になりますことをご容赦願います。
年末・年始の新聞記事やテレビ番組では、「正月料理」や新年行事に関連した「料理」番組が盛んでした。中でも「京料理」に関連しての老舗割烹の料理人さんたちが、代々伝わる伝統を踏まえた技を手際よく、しかも過不足ない言葉で日本料理の神髄を披露してくれていました。*
中でも北海道の昆布を京都のそうした老舗に提供している福井県の奥井海生堂さんのご主人の登場も興味深いものがありました。
同社が扱う「利尻昆布」までは知っていましたが、利尻でもさらに昆布を採取する「浜」まで決めていることに流石!と思ったものでした。
そのご主人が「新水いぶき」の実力をイチハヤク認めていたことは、北海道良水(株)の新藤社長からお聞きしていたものです。
きっと、ホンモノを追求する者同士としてお二人の中で共感(感応)する何かがあったものと想像するところです。*
前置きが長くなりましたが、前号の辰巳先生の新著のキーワードとも言える「感応力」の存在。食材と食する人のことを思う料理人の気持ちが呼応しあって「美味しい料理になる」、というプロセスを丁寧に説く辰巳先生。
その推進力になるのが感応力で、その存在が大きい! とおっしゃっているように思いました。*
さらに辰巳先生は「感応力」の達人として、ジョエル・ロプション氏を紹介しています。
ロプション氏の実績は、世界に数多く展開する氏のレストランがミシュランガイドで3つ星を多数獲得していることでも証明されています。
それもこれも「感応力」の高さに因ると見て、ロプション氏が12歳で神学校に入学して、そこで働く人たち(台所仕事も)を通じて、育ったことに着目されています。
ご自身が、聖心女子学院で修道女の方たちを身近に接していたこともロプション氏への理解を深めているように読めたものです。*
さて、ようやく「だし」についてです。旨味の元になる「だし」には、5種類のものがあり、その組み合わせで最強の旨味が生まれることはご存知と思いますが、念のために列挙いたします。
(1)昆布 (2)干し貝柱 (3)干し椎茸 (4)かつお節 (5)煮干し
そして、(1)と(4)が最強コンビ。
で、「新水いぶき」を愛飲されている方々であれば、使う天然水は当然、「新水いぶき」ということになりますでしょう。*
ある愛飲者の方に今回の辰巳先生の新著をお見せしたところ、ご自身が日頃から小豆で「餡」を作っていることもあって同書の20頁に書かれていた
……「以前、小豆を洗っていて何とも言えないかゆみを手と背中に感じたことがありました。調べてみたら、それは遺伝子組み換えの輸入小豆だったのです。」
……(同書20頁)に納得された……ということでした。*
辰巳先生は「日本は、世界に誇るべき食物を三種、持っています。米、だし、醗酵調味料」(38頁)と列挙し、西洋料理の「塩と油」の出番が多くなる食文化の違いに触れています。
自分の国の食文化を知る先には、「食」のもっとも基底部分で料理を支えている素材の素材、「水」にも注目する料理人や、家庭で料理をしている人たちが増えるこれからと思える辰巳先生の主張でした。
【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」
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