北海道良水株式会社

新水IBUKI通信 2014年 師走 00034

この1年“も”ありがとうございました……の季節

1年の終わりの12月号です。皆様のおかげで通信も34号に達しました。
この1年もお電話での感想、寄稿依頼に対して快く応じて下さった「新水いぶき」ファンの方々、打てば響くように「水」とその周辺の話題を提供していただいた方々に心よりお礼申し上げます。
来年は今年以上に世間の注目を浴びる「水」になることでしょう。それはそれとして、今まで通りに飲む人たちに良き水を提供し続ける様子を本通信でお伝えしていきたいと思っております。
どうぞ、良い年をお迎え下さい。

「水」をめぐる冒険~広がる縁

ⅰ)太陽系
地球にある「水」っていつから? という疑問に答えるためにイギリスの研究チームが科学誌「サイエンス」に発表した論文について、「宇宙がっこう」というコラムが朝日新聞の夕刊(2014年10月4日付・4面)で紹介されていました。筆者はJAXA名誉教授の的川泰宣という方です。
20世紀に太陽系の探査が進んだおかげで、水は地球だけに存在するものではないことが分かってきたそうです。地球上の生命が、水があってこそ誕生し、進化してきたことは周知の事実という前提に立てば、地球外の生命の存在も否定できない? となれば、宇宙好きには、タマラナイ魅力を放つ論文。惑星を見ながら想像力を膨らませる喜びは推察できます。さて、話題を宇宙から地上に降ろします。
ⅱ)ワインと水
その地球上の「水」を成長の原動力の一つにして育つ植物。今回は葡萄にまつわるご報告です。先日(10月下旬)、札幌で2001年に開園した「ばんけい峠のワイナリー」(札幌市中央区磐渓201-4)の“樽人”の田村修二先生(どうしてもそのように呼びたくなる方です)を北海道良水(株)の新藤社長と訪問させてもらいました。
その理由は、前号でもご紹介させてもらいました医師の三好基晴先生が自然栽培の葡萄で無添加のワインを造ってもらえるワイナリーを全国的に探していたところ、このワイナリーにたどり着いたことから話は始まります。

自己紹介をかねて「新水いぶき」を持参し、その製造工程や役所との協議期間など、新藤社長の説明を聞きながら田村先生、「そりゃあご苦労されましたね。でも、本当に良くがんばりましたねえ」と公的機関から製造に関する認証を得ることの難しさを熟知されている方から共感の言葉がありました。
ワイナリーの場合は、醸造許可を得るまでの困難な道のりは、酒税に関わるだけに大変にハードルが高いことは常識です。許可を得なければ、密造酒扱いで製造を続けることもできないのですから、並大抵ではない“根気”も求められるご苦労があったものと思います。
ⅲ)結びつく縁
そのような背景をもった札幌の「製造業」を営むお二人の経営者が揃い、そこに「自然食品」に厳格な基準を求められる三好先生のワインへの関心、それを理解する“樽人”との出会い、さらに「新水いぶき」産みの親である新藤社長とも結びつく“縁”が、札幌で生まれましたことをご報告いたします。
「全国に数多いワイナリーでも、三好先生の求めるレベルを引き受けるところが無いんですねえ」と話したところ、田村先生、「そりゃあ、そうでしょう! 何しろ手間隙をかける造り方ですからコスト計算を先にするところでは無理でしょう」と笑顔で答えて下さいました。
ⅳ)仕事の姿勢
ここに関係者の共通項が見出せるように思いましたが、「新水いぶき」を愛飲される方々にも通じるものがあるように感じられたものです。それは、仕事や人生へどのような姿勢で立ち向かっていくのかのようでもありました。それについてある方が教えてくれました。もし、病気になって医師に診てもらおうとした際に、その医師が金儲けを第一にしているようでしたら、気乗りがしないでしょう。一方で常日頃から1人でも多くの人を救いたいと実践されている医師でしたら、そちらに足を運ぶことになるでしょう……と言う訳です。それは医師を選べる条件があってのことですので、そんな贅沢は言っていられない地域にお住みの方々にはピンボケな解説かも知れません。
それでも、今の日本という国では、幸いにも「水」も「ワイン」も一応、選ぶことのできる環境にありますので、作り手の人柄までも想像して選択することは可能です。恵まれた社会の1つの基準を示しているとも言えるように思います。

【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」

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