新水IBUKI通信 2018年 師走 00082 号
◆「本年も最後の月になりました。」◆
~事務局からご挨拶~
平成30年が終わろうとしていますが、1年を振り返る季節をどのようにお過ごしでしょうか。
今年を締めくくるかのような一通の封書が届き
ました。6年前のことになりますが、
「新水いぶき」をいち早く日本料理をメインにする自店
(東京都港区)の調理に取り入れていただいた大女将さんからでした。
もともと店では「水道水」を料理に使っていな
かったこともあって、総料理長が「新水いぶき」
の方がもっと味を引き立てる……と高く評価して
下さったという経緯があったお店です。
その店の大女将から久しぶりのお手紙でした。
その封書、封筒から中の便箋までオール和紙、
そして毛筆、貼られている切手は、今年の4月に
発売された「切手趣味週間 風神雷神図屏風」。
実際に切手として使う人より、コレクションに
してしまう人が多い?のでは、と言う人もいるらしい豪華な雰囲気をもった記念切手でした。
そこまで細部に心配りするから名店の女将とし
て、先代から引き継いだ店を東京の一等地で経営
をし続けているのだなあ~と一通の封書から改め
て感じ入るものがありました。
手紙の内容も実に心のこもったものですが、も
ともとの縁から言えば、大女将のご主人との出会
いが最初でしたので、ご主人からもらった著書や
手紙類と一緒に保管させてもらうことにしまし
た。
すると今度は、ご主人の単行本に女将からのメ
モが挟み込まれているのを発見。約10年前のも
のでした。
この時は、まだ、「新水いぶき」が生まれていなかった訳ですが、それから数年後に札幌の天然
水と名店の出会いがあることに……。
これは、両者(製造者と料理店)の求めている
何かが一緒だったのではないかと改めて思い至る
封書でありました。何か巡り巡っての“師走"に
なりました。どうか来年も良き年でありますよう
に願っています。
【フレンチ割烹!?】
パリの一流レストランで活躍していた実績から東京
店の総料理長を託されて28歳で来日。
来日2日目に訪れた日本の寿司屋の仕組みに魅了さ
れ、21年後に「フレンチ割烹」スタイルを創業。
「魅了」させた有名な寿司屋さんには、時間(じか
ん)、空間(くうかん)、人間(じんかん)の3間
(かん)がバランスよく漂っていたのでしょう。
それにしても料理長と客が向き合う食空間を体感することから“合理性と楽しさを併せ持つ完璧さに驚い
た"という感受性はお見事です。
フレンチの厨房とフロアの分離という伝統とは真逆
の装置にビックリされた、とのことですが、それを融
合させたのは、1965年にパリで生まれたドミニ
ク・コルビさん。実力と情熱が両国の文化を融合させたのでしょう。
コルビさんは「一方の伝統にのみ込まれることが文
化の融合とは思わない」と明言されていますが、自国
文化への自信があってこそ、この余裕ある異国文化へ
の尊敬に通じているように思えます。
(ある方が、この文化観は、「新水いぶき」を 採水している「北海道良水(株)」さんの社風 にもあるよ!と話されていました。)
だから?でしょうか、店で着用するコック服には、 自ら定めた梅の5弁の花を「家紋」のように刺繍し、 その「5」の理由は……料理人に必要なものを示して いるとのことです。
五感(見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触わる) 五味(すっぱい・にがい・あまい・からい ・しおからい) 「5」のリスト ①情熱 ②楽しい ③余裕 ④自由 ⑤早さ でした。
【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」
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