新水IBUKI通信 2020年 水無月 00100号
移り住んだ“北海道”を大切に語っている人!
N.Y(札幌市)
外出を控えましょう!という社会要請もあって自宅の書庫に積まれていた書類や、雑誌などを片付けていました。
ちょうど町内会活動でも取り組んでいる「紙ごみ収集」にも協力できるので、一石二鳥でした。部屋もスッキリしたので、一石三鳥だったかも知れません。
すると、2011年(平成23年)12月の新聞(朝日新聞)の切り抜きが出てきました。
ほぼ1面全部を使った「インタビュー」もので、登場されているのは、脚本家の倉本聰さん。
この時で76歳。
東京から富良野に移り住んで34年目の時です。今もお元気に富良野にお住まいですので、それから9年をプラスすると、43年目になりますね?
その倉本さんが語っているのは、「北の国からTPP(環太平洋経済連携協定)を考える」というもので、北国で土に触れてきた方だからこそ言える内容でした。
「農薬漬けの土地を10町歩買って、有機でやろうとしたら雑草や虫との闘いでした。(中略)最終的に10年目くらいに炭を焼いたんです。炭を粉にして土に混ぜたら、そうしたらね、やっとミミズが出てきたんですね。感動しました」
「自分の力が及ばない自然を相手にすると、人間は変わりますよ」とか、
「自然を統御できるなんて、思い上がりですよ。なぜ、経済って、こんなにエラクなっちゃったんですかね。」
そして、「日本は、小国でもいいから尊敬される国を目指すべきじゃないですか。」とも。
そして、ブータンを一つの理想にされていました。ブータンの国王が来日された際の姿から「人間の格が上だという気がするんです。」とも話されています。
そこへ……
脚本家として今も現役で活躍されている倉本さんですが、点描画展を銀座のデパートで開催される程の方でもあることを知りました。
それは「コロナ・ウイルス」のこともあって人影の少ない時期に会場に出向いたKさんのエッセーによってでした。この方、埼玉在住です。
展覧会のテーマは「森のささやきが聞こえますか」というものだったようで、ご友人に誘われて出向いて点描で描かれた「富良野の森」に魅せられたそうです。
静謐の「筆づかい」で描かれたシカの眼に思わずアイサツをしてしまった……と。
さらには、絵に添えられた温かい短文を目にして、「ぼくは、ウサギとリスの仲間になったような気分」になった、とも書き残しています。
「てんびょう」、漢字で書けば「点描」の2文字ですが、画面にひたすら「点」を打ちつけるようにして絵にしていくのは、「セリフ」で物語を創り上げる以上に根気と集中力とセンスを必要とするのかも知れません。でも、それが画(え)を見る人に感動をもたらすのでしょうね。
筆で一気に表現するものとは、全く違う世界になるのは、「塗る」と「撃つ」の違いでしょうか?
その倉本さんの「点描画」を「焼き菓子」のパッケージにした北海道の菓子メーカーさんが、いました。お菓子は昨年、秋ごろから発売されたようですが、北海道つながりでの“美味しい”銘菓の誕生は、何よりです。
そして!このお菓子屋さんの創業者は「新水いぶき」の製造・販売元の創業者さんと同世代であります。
倉本さんよりもかなり若い創業者のお二人ですから、これからもますます活躍されることでしょう。
「森の忘れもの」という名のお菓子を食べつつ、そう思いました。
【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」
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