新水IBUKI通信 2020年 長月 00103号
変わる自然界と“変わらない”相性
S.M(札幌市)
今年の夏は、過去に出会ったことのない規模の「豪雨」で、テレビ・ニュースなどでその甚大な被害を受けた方々が映し出されていました。
そして、被災者の方々を支援する活動をされてきた方々も、コロナ・ウイルス禍のため動きがとりにくい……そんな辛い日々が続くこの国でした!と過去形で語れないのも気を重くさせる昨今であります。
自然界の猛威と向き合わざるを得ない環境下、毎日の生活を維持するのに苦労をされている方々が多い時代だからこそ、そんな自然環境に押しつぶされないで日々の生活をしっかり送っている人たちの存在も大きいものがあります。
*そんな事を気づかせてくれたのが、自宅近くの歩道とブロック塀の境目を駆け抜けた仔猫でした。
白と黒の柄?模様の仔猫ちゃんが見せた動き方の素早さは、一瞬、見とれるものがありました。
生きることに一生懸命なんだ!と教えてくれているようでした。
ちょうど、歩道で立ち話をしていたご近所のオバサンお二人も、この仔猫ちゃんに目を注いでいました。
同じように感じたのでしょうか?
「今年生まれた猫ちゃんですねえ」
と、笑みを浮かべて教えてくれました。
猫も人も同じ生き物なんだなあ……と、何か伝わってくるものがあったオマケでしょうか?
オバサン達が
「この前、ピアニストの辻井伸行さんのお話が新聞に出ていましたが、お読みでした?」
と語りかけてきました。
「いいえ、知りませんです。」
と正直に答えると親切に教えてくれました。
……辻井さんって、まだ30代前半の盲目のピアニストさんですが、生まれつき全盲という視覚障害の方ですね。その方が
「音楽に障害は関係なく、一人のピアニストとして見てほしかった。」
と昔の事を話されていたんですよ。……
そして、
……父親(産婦人科医)と川沿いを歩いた思い出から「川のささやき」という曲を作ったんですって。……
と補足してくれました。
毎日、ほぼ定時に猫と散歩しているオバサン達ですが、愛猫家として、辻井さんのお話に心に響くものがあったのでしょう。
日頃から、控え目な物腰のお二人ですが、野良かも知れない仔猫の成長具合から、何かを感じたのかも知れません。
自宅の飼い猫にも、新参者の仔猫にも分け隔てなく接するご近所さんでした。
「良いお話を聞かせてもらったお礼に後ほど、『新水いぶき』を少しだけ進呈させて下さいね。」
と、言ったところ
「えーっ!、あの美味しい『お水』ですよね。ありがとうございます。“水臭い”なんて言わないで喜んでもらいますヨ……」
年配者らしい余裕の笑みを浮かべての返事でした。
以上、「良いオハナシ」と「良いお水」の“変わらない”相性の良さをお伝え申し上げます!
【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」
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