新水IBUKI通信 2021年 霜月 00117号
「水」って「文法」なのよね。
S.K(東京都)
この二~三十年、故郷の札幌には年に数回、母親と会う目的で帰郷していたのですが、コロナ禍で今年は1回で終わりそうです。
高齢の母とは古典的な家庭電話でのヤリトリになりますが、先日は「北大路欣也さんって言う役者さん、知っているかい?お父さんが市川右太衛門って言う大スターだったんだよ」と話してくれました。
テレビ番組で主役を演じていた北大路さんは、子供時代から知っていましたが、お父さんのことまでは記憶にありませんでした。
「お母さん、何か思い出すきっかけがあったの?」と聞くと
「☆☆ちゃん(㊟私の妹)が、最近の北大路さんの事を書いている新聞をもってきてくれたのよ」と嬉しそうな声で話してくれました。
高齢になった母の近くに住んでいる妹にお礼を言おうと携帯電話を手にしました。
すると「私はお兄ちゃんほど北大路さんのことを知らないけれど、名前だけは記憶にあったので」と説明してくれました。
妹の娘、つまり姪っ子が東京での学生生活を始めた際にバイト先を世話したこともあったりして、兄妹での近況報告を含めたヤリトリになりました。
その中で「北大路さんのお話、“新水いぶき”みたいよ!」と言うのです。
昔、あるきっかけで私が「新水いぶき」を知った時に札幌で暮らし始めた妹に教えた事があったのです。
「どうして?」と聞き返すと
「78歳になっても映画の主役を演じることが出来る俳優さんもスゴイけれど、その役者人生を明解に語れるって、ホンモノの役者さんね。」とも。
「だって、戦後の幼少期を記憶している北大路さんが言い切っているんだもの。
“我々が生きていくために先人に教わった『文法』”があるって!
時代劇も得意な役者さんが言うと迫力も違ってくるような気がしちゃうのよね。」
……と、妹の長電話が終わらないので、そろそろと思った時でした。
勘の良い妹らしく「新水いぶき」と似ているのは、「飲み物」にも「文法」があると思うからなの!と言うのでした。
「つまり、体に優しいホンモノの水であることが、飲み水としても、料理用にも全て自然体である身体にとっては、身体が『生きる』ための文法に適合すると思うの!『水』って『文法』なのよね。」
*……柔軟な妹の「思考血管」は、若さを維持しているかのようでした。
一応、医師でもある私にしても患者さんには、
「血管は本来、ゴムのように柔らかいものであって、血液に強く押されたらふくらんで血圧を上げないように調整する役目を果たしてくれているんですよ。」と説明してきています。
そして、「加齢に伴って血管がかたくなってしまうと血圧が上がりやすくなりますよ。」というお話も。
かなり年下とはいえ、私の「思考血管」は妹より硬くなってきているのは確実です。
自然であること、
天然であること等々、
「新水いぶき」という修飾語を必要としない飲み物を妹に伝えておいたおかげで親子、兄妹で共通話題を持てていることに感謝しています……
と近況報告させてもらいました。
【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」
【バックナンバー】新水IBUKI通信