北海道良水株式会社

新水IBUKI通信 2022年 霜月 00129

北海道の良さ。
K.T(札幌市在住)


北海道に住むようになって30年を越えました。
幸いにも、還暦までに10年ほどありますが、「人生100年」時代を思えば、道半ばとも言えますね。

そんな私が、北海道に移住して初めて知った地酒があります。日本海側にある留萌市近くと言っていいでしょうか?
増毛町、という町で醸造されているお酒です。
前号のこの通信に寄稿されていた方が、留萌市在住とありましたので、この通信の引力なのかも知れませんね?

正直申し上げて若い頃は、「日本酒」の世界にあまり関心が無かったものです。
「地酒って田舎のお酒でしょ」なんて失礼なイメージをもっていました。
反対に「洋酒」が何かモダンな感じというか、明るいイメージが世間にふりまかれていたように思います。
私個人のお粗末な「世間知らず」を証明するだけの思い出話に過ぎませんけれども。

そんな事を気付かせてくれたのが「国稀」という銘柄の日本酒でした。
今、この漢字二文字からは、生産者というか醸造事業に注ぎ込んだ創業された方のエネルギーと気概を感じ取ることができます。

たまたま目に入った新聞記事にあった連載コラムから知ったのですけれども……。
国を代表するかのようなネーミングというか、醸造会社としての意気込みが伝わります。これって開拓時代のエネルギーの発露なのではないでしょうか?

自分が知らない事、無知ぶりを棚にあげて「田舎酒」と一括りにしてしまうのは、自らのお粗末さに気付こうともしていない証明ですね。
そんなノンビリ屋さんには、新しい発見も喜びもサラリと通り過ぎて行く事でしょう。

さて「国稀」を生んだ創業者は、本間泰蔵さんという方で、1882年(明治15)に本業の呉服商などとは別に自家醸造を始めたそうです。
2022年の今からは、ちょうど140年前になりますね。

当時は本州から運ばれてきた日本酒は、高価なものだったでしょうね。
そんな現実に向き合って、台頭する事業者としての意気込みもあったでしょうけれど、こうした
「人材」
というよりも
「人財」
の存在が、地域を豊かにしてくれていったように思えてなりません。

そういえば、10年以上前になりますが、私も留萌に数回、出向いた事があります。
その時に一緒に同行してくれた知人が、「国稀」の大きな看板を指さして教えてくれたものです。
その「国稀」の「カップ」が登場したのは40年以上前の事で、道内産の米「吟風」を使った辛口系で、左党好みだそうです。

「カップ」の柄はフルーツ模様で、果樹地帯の北限としての地域性を物語ってもいると知る事もできました。
器のデザインにも凝って、カップの日本酒を世に出したのは、創業者の本間泰蔵さんの「心の遺伝子」でしょうか?

長々と個人的な思い出を含めて「地酒」の存在に触れさせてもらったのは、「北海道」の「水」の良さに気付いてくれた方がいて、それを運んでくれる運送業の方々がいて……と気づいたからです。

「北海道の良さ」を「水」からも感じた報告をさせてもらいました。

【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」

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