新水IBUKI通信 2023年 皐月 00135号
“新水いぶき”って“詩”だったのですね。
A.K(札幌市在住)
短い言葉でも、目にされた人たちは長くココロに遺してくれる言葉の世界の一つに“詩”があるのではないでしょうか?
ふと、そんなことを思ったのは「新水いぶき」をグラスに注いで飲んだ時のことでした。
言ってみれば「無色」「透明」の「真水」(まみず)ですが、「真」の「水」と書き記すのが普通ですよね。
そして、「ま」と読む漢字の「真」は、「しん」とも言いますね。
日々、“新水いぶき”で緑茶や、紅茶、コーヒーを飲んでいますが、単品というか、純粋状態で、つまり無色透明のままの“新水いぶき”も非常に美味しいことに改めて気づいた次第です。
「そんなこと、常識だよ!」
と友人に言われましたが、改めて美味しさに気付いたものですから……ご報告致します。
と、言いますのも、そのキッカケを与えて下さったある詩人の作品を偶然に目にしたのも何かの導きかなあ……なんて思ったので。
その詩人さんは、1931年に東京で生まれて、今も創作活動というのか、詩を発表されています。それが誰かは、もうお分かりいただけると思いますが、谷川俊太郎さんです。
谷川さんには、作品集というか詩集がたくさんありますので、手にとっただけでも何かの導きだったのでは?なんて思ってしまいましたが、頁を繰っていると「ひらがな」だけの作品に出会いました。題名は「はる」。
日本語的に言えば、漢字のない「じゅんすい にほんご」(純粋日本語)のようで、「純水」の“新水いぶき”と通じ合うように思ったので、ご報告させてもらいます。出典を明示致しますのでご興味のある方は、参考にして下さい。
はる
はなをこえて
しろいくもが
くもをこえて
ふかいそらが
はなをこえ
くもをこえ
そらをこえ
わたしはいつまでも のぼってゆける
はるのひととき
わたしはかみさまと
しずかなはなしをした
[谷川俊太郎詩集](1998年発行・ハルキ文庫)
私が本屋さんで手にした文庫本は、2010年に発行された22刷のものでした。 2023-1998=25、つまり、25年前に文庫本になって、今も書店に並んでいる詩集でした。
1931年生まれの谷川さんが、57歳の時に発行された文庫本ということも出来ますね。
その谷川さんが札幌に新しく開校した高校の校歌の作詞をされたのは、1960年代初めになりますでしょうか? とすれば、谷川さんが30歳前後の頃に校歌のお仕事を引き受けて下さっていたことになりますね。
作詞を依頼した役所?教育委員会?も先見性があった、という事も出来るかもしれません。
その高校、現在は中高一貫校として札幌市の東区にありますが、開校1年目は、札幌市中心部に仮住まいの校舎だったそうですけれど。
札幌、新水いぶき、ひらがな……と3つの世界がこれからも価値のある存在であって欲しいと願っております。「新水いぶき」ファンから。
【編集】北海道良水(株) 「遠友いぶき・ひと花プロジェクト」
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